ヤズド概要
砂漠の真珠と呼ばれ、大きな風採り塔や砂漠地帯特有の土地壁と煉瓦の家々が迷路のように入り組んでいる旧市街地、トルコブルーのタイルが美しいモスク、ゾロアスター教施設、素朴な陶器・ヤズド焼きなど、エキゾチックな街として人気のあるヤズド。
特に旧市街地にあるホテルは、昔の館を改築したものが多く、アンティック感満載、ホテルスタッフは英語、フランス語などに堪能、外国人には大変な人気です。郊外にも、砂丘や昔の隊商宿、ゾロアスター教聖地・土漠の洞窟の天井から水がしたたり落ちる不思議なチャキチャキなど、旅心を満たしてくれるアトラクションが満載です。

ヤズドへの旅
ヤズドは大砂漠の際に位置し、砂漠特有の建築様式や文化を持つ街です。街の中心部にそびえたつのはアミールチャフマグ広場の2本の塔です。広い敷地の広場は憩えるように花が植えられ、噴水が涼しい風を誘い、夜のライトアップ時に集まる人たちで賑わいます。ヤズドには2件の世界遺産があります。風採り塔と地下を通して水を遠いとこまで運ぶカナートで、どちらも砂漠特有の気候で生活する人々の知恵です。カナートは手掘りで作られたもので、その困難はどれほど大変なものであったかを見せる水の博物館が、チャフマグ広場の向かいにあります。迷路のような煉瓦の街・旧市街地は散策にぴったりです。土産物屋やおしゃれなカフェがどんどんと開店していて、散策につかれた足を休めるのには最適です。ゾロアスター教施設も、ぜひ、見てきたい場所です。特に鳥葬の丘や800年以上も絶やされることなく聖火が燃え続ける拝火堂などは、人気のスポットです。
ヤズドハイライト
町を巡る壁
古のイランにはたくさんのタイプの建物が建てられていました。その中でも、敵の襲来から町を守るために、外側に堀をめぐらした壁を造りました。ヤズドでも西暦12世紀の初めに建築がはじめられたといわれています。14世紀の記述には、高さが15メートルの高さの壁を造ったとされています。しかし、現在はそのほとんどが、現在では崩壊したり、地中に埋まったりしています。
バザール

ヤズド市内には12か所のバザールがあります。その中でも現在でも市民生活でよく利用されているのは、市内中心部、アミールチャフマグ広場向かいにあるバザールです。生活用品はもちろんのこと、金を扱う店が立ち並んでいます。イラン人女性に言わせると、ヤズドの金の装飾品は品質が良く、特に手作り品は繊細なデザインが美しいということです。また、ヤズドは昔から織物が盛んで、現在でもシルク製のゴージャスなテルメという織物が織られています。これを織るには、昔は大きな織機を上下二人で操作したそうです。ヤズドは陶器作りも盛んです。素朴なヤズド焼きも目を楽しませてくれます。
アミールチャフマグ広場
ヤズド市内中心部にある広場です。西暦12世紀当時、ここを統治していたモンゴル系王朝の指揮官…アミールチャフマグが造ったといわれる、高い塔が目印の複合施設が立つ広場です。当時は、バザール、公衆浴場、モスクなどがありました。現在は、水場の噴水が涼しさとくつろぎを感じさせ、塔の下のアーケードにはレバー焼きの店(新鮮で安価)や手工芸品の店などで賑わっています。広場の周りには、昔ながらのヤズドの菓子類を扱う店やファーストフード店が立ち並び、夕方には家族連れがたくさん訪れます。広場の横には、モスクがあります。これはチャフマグの妻が建てたといわれています。緻密な漆喰デザインとタイル飾りが特に優れています。

ジャーメイモスク

アミールチャフマグ広場から大通りを右にしばらく行くと、左手に石畳のノスタルジックな通りが現れます。その突き当たりに立つのがジャーメイモスクです。夜には、青いライトが塔を幻想的に浮かびあがらせます。このモスクは、西暦1324年から40年ほどかけて建てられたといわれており、2本の塔はイランのモスクの中で1番高い塔だといわれています。その塔にも建物の外壁にも、落ち着いたブルーとトルコ石色の明るいブルーでデザインされたタイル飾りにため息を漏らさない人はいません。モスクへの入り口には木製の重厚な扉が、歴史を感じさせます。モスク内にある大きなドームのある建物は、トルコ石色を背景に真ん中に花がデザインされた大きなタイル飾りが特徴的です。このデザインは、ここだけでしか見られない珍しいものです。このモスクの下を、世界遺産として登録されたカナート(水を地下の水路で遠くまで運んだイラン特有のシステム)が通っています。今でも、アザンの声が響くと近所の人たちがお祈りに来ます。
12イマーム廟
旧市街地にある、アレキサンダーの監獄の廟隣にある、西暦12世紀ごろに建てられたといわれている廟です。廟の扉には12イマームの名前が刻まれていますが、ここに葬られているのは12イマームではないといわれており、墓石も小さく、古びているため、実際に埋葬されている人たちの名前がわからないのです。それでも、シーア派の人たちは、巡礼としてここにお参りに来ます。

沈黙の塔

ヤズドの中心部から約15キロほど南西に行くと、突然、2つの丘が見えてきます。丘の上には周辺を丸い壁で囲まれた空間が造られています。そこが、ゾロアスター教徒の埋葬地でした。ゾロアスター教の教えの一つとして、火・土・水・空気の4つの元素を汚してはいけないというものがあります。そのため、死者は土葬も火葬もせずに、鳥葬にしたのだそうです。丘の下には、埋葬の儀式に使われた建物が、朽ちたまま残っています。丘は2つあり、右側の丘には階段が設えてあり上るのが楽ですが、左側は砂利道で、右の丘よりも高いため上りにくさはありますが、上からの眺めは爽快です。ここは、ほんの50年ほど前までは使われていたそうですが、だんだんとヤズドの町が拡張してここが郊外とは言えなくなったことと、衛星上の問題があることなどで、イラン革命後、使用を禁止されました。今では、教徒の墓は丘の下に造られています。ここまでの公共交通機関はありませんので、タクシーを利用することになります。
チャキチャキ

ヤズドから車で約1時間半、土漠の一本道をひたすら行くと、はげ山にくっつくように建てられた建物群が見えてきます。この建物の一番上にあるのが、チャキチャキと呼ばれる洞窟です。西暦8世紀、イスラム軍がイランに侵入してきたとき、ここヤズドも例外なくイスラム軍と戦闘がおこりました。当時、イランを統治していたササーン朝の最後の王妃が、この洞窟に逃れて来、彼女が入ったとたんに洞窟の入り口が閉じて助かったといわれています。毎年、6月下旬に世界中の教徒がここに集まり、数日、祭りが開かれ寝食を共にします。その期間は観光はできません。洞窟は、駐車場で車を降り、坂と階段を上ったところにあります。洞窟のわきには樹木が生え、内部中央には祭祀用の火を焚く道具があり、その天井からは水がポタリ、ポタリ、と滴り落ちてきます。こんな土漠のどこから水が流れてくるのか全く分かっておらず、ますます神秘的な雰囲気です。内部にある大きな木は、王妃が持っていた杖が育ったものだといわれています。

ドーラトアーバード庭園

市内中央から少し西側に行くと、この庭園があります。大きな風採り塔が目印です。ここは、昔の地位の高い人の所有でしたが、現在はイラン観光庁が管轄しています。大砂漠の際にあるヤズドにも関わらず、西にある高い山から流れてくる泉の水が庭園内を潤しています。特に右側の建物のステンドグラスは東西南北、それぞれの部屋によってデザインが異なり、太陽が動いても1日中、どこかの部屋で楽しめるように作られています。風採り塔の下に入ってみると、上昇気流と下降気流をはっきりと感じることができます。ヤズドでは、家の外壁は土色のため、立派な風採り塔を建てることで裕福さを競ったといわれています。
旧市街地
市内大通り・イマーム通り、アミールチャフマグ広場の向かい側、バザールがあるあたりから旧市街地が広がっています。広場を右手に見て大通りを進んでいくと、右手に時計台が見えてきます。その向かいに石畳の道が正面突き当りにあるジャーメイモスクまで続いています。石畳の両側にはハンドクラフトの店や、美しい色とりどりのスカーフ・コートなどを売る衣料店などが並び、観光客でいつも賑わっています。モスクの脇の小道を入っていくと、入り組んだ路地に砂漠特有の建築様式の家々が静かにたたずんでいます。1年の中で最高気温が30度を超えるのが8カ月も続くヤズドでは、地下室を作ったり、路地を挟んだ家同士で路地にアーケードを作り日陰を取り入れたり、風採り塔を設置することにより水と風を利用したクーラーとして暑さをしのいでいます。乾燥している地域ならではの知恵です。路地には、ノスタルジックで素敵な雰囲気のカフェがたくさんオープンしており、散策の途中で休憩できるのもうれしいです。
拝火堂

1500年間とも800年間ともいわれる、聖火を守り続けているゾロアスター教聖地です。入り口を入ると円形の大きな池のあるい庭に出ます。そこから聖火が祀られている建物を見上げると、ペルセポリスに描かれている、翼のある輪を左手に持つ天使像を見つけることでしょう。聖火はガラスの向こうに燃え続けています。室内には預言者ゾロアスターの絵や、教え、特別な文字で書かれた聖なる書などが展示されています。また、別の棟には、行事の説明パネルが展示されており、時には司祭がいろいろな質問に答えてくれます。ゾロアスター教は火の宗教とも言われ、火にまつわる行事がたくさんあります。イランでは、1年の最後の火曜日の夜に、それぞれの家で家の庭や路地で小さな火を焚き、その上を“悪いものは外に、いいものは私に”と歌いながら火の上を飛ぶ行事があります。ソロアスターはイランで生まれた預言者で、世界最初の唯一神を唱えたといわれています。イスラム教が国教になったイランではありますが、ゾロアスター教にいわれのある昔からの行事を大切にしています。ヤズドのこの行事は大変大掛かりで、イラン中、世界中からたくさんの人たちが見物に来ます。
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