シンガポール日本商工会議所会員イラン視察旅行
シンガポール日本商工会議所会員イラン視察旅行
2016年11月上旬、シンガポール日本商工会議所に所属の約20企業から22名がイランの首都、テヘランを訪れました。
シンガポールにはイラン大使館がないため、ビザは、空港で取得することになっていました。承認番号は弊社で取得済み、空港でのビザ取得手数料金も先払い済みでしたが、何しろ20数名という大所帯でしたので、空港での取得に時間がかかるるのは必至でした。
それでも思ったより時間がかからず飛行機の到着から約1時間半後、ほっとした表情の皆さんがバスに乗り込みました。
訪問予定企業は、日本・イラン共同資本のサンデン社、イラン第2の自動車メーカーSaipa社、遊牧民の織物を取り扱うZollanvari社でした。
イランでは、外国企業のイラン国内企業の訪問などは規制が課せられていることが多いのですが、昨年から、政府系の団体がその斡旋をおこなうようになり、ずいぶんと助けられました。
サンデン社は、テヘランから車で約2時間半のGazvinという町の工業団地にあります。ここでは、車のクーラーや各種冷蔵庫の製造を行っています。残念ながら写真撮影は許可されませんでした。
皆さんが一番の関心を寄せたのはSaipa社の訪問でした。Saipa社の歴史は、イラン革命前の1966年、シトロエンのライセンス生産から始まりました。その後はフランス車ルノーのライセンス生産、韓国キア車の製造などを行い、近年ではマレーシアとの共同開発も進めている、政府保有率50%弱の企業です。
テヘランから車で約3時間、Kashan市工業団地から少し離れた大きな工場内を見学させてもらいました。皆さんは、担当員の説明がよくわかるようにイヤホンを耳に、熱心に耳を傾けていました。ここで製造されている車のクーラーはサンデン社の製品だということでした。
見学後はSaipa社が昼食を提供し、双方で贈り物をし、和気あいあいとした時間を過ごしました。
Zollanvari社はテヘラン市内からイマームホメイニ空港へ向かう途中にあります。日本のテレビで紹介されたこともあり、名前を聞いたことがある人も多いと思います。
イランにはいくつもの部族がいまだ、春と秋に住居を移動しながら羊を育てています。その中でも、日産自動車のカシュカイという車の名前の由来になったGhashghai族が織る絨毯やギャッベ(絨毯よりも厚みがある)は、外国では大変な人気です。それらを取り扱っているこの会社では、織り上がった絨毯等を製品にするまでのいろいろな工程(不要な糸を焼く、洗う、干す、縮まないように張る、など)を見せてくれました。
レストランでは毎食、イラン料理を堪能しました。羊料理がメインですが、今、イランで盛んに養殖されている鱒料理に、とてもおいしいとの感想をもらいました。
また、現在テヘラン自由大学で教鞭を取っている八尾師誠教授が夕食会でイランの現在の姿について皆さんにお話をし、イランについての認識を新たにされたことは、私たちにとり一番うれしいことでした。
イランはこれからますます伸びていく可能性を持っています。たくさんの日本企業に大きなビジネスチャンスとしてイランを視野に入れてもらえるよう、今後もこのような視察旅行を実施していきたいと思っています。
日本旅行部・日本語ガイド
阪野 みき