のんびりゲシム
のんびりゲシム
20016年12月中旬、日々のストレスから逃れようと同僚とゲシムへ旅行しました。
シラーズから深夜バスに乗ったのは23時。急に寒くなったシラーズの夜はコートが無くてはならないほど気温が下がっていましたが、ゲシムは今が、暑くもなく、寒くもなく、遊びに行くには最高の時期です。しかし、ウキウキ気分も眠気には勝てず、ぐっすり眠っている間にバスは爆走し、目が覚めたら、バスはもうペルシャ湾の上を浮いていました。ほんのりと朝焼けの空が見えていました。
ゲシムは自由貿易の島ですので、外国製品が安く購入できます。島の東部、北部には大きなショッピングエリアが立ち並び、イラン内地から大量に買い付けにたくさんの人たちが訪れます。が、私たちはのんびりすることが目的でしたので、ショッピングには目もくれず・・・といいたいとこころですが、ついつい、引き寄せられてしまいます。
その引力に逆らって、ビーチへ。
穏やかに海がキラキラ光っていました。ビーチには波と遊ぶ人たち、高台にはカラフルなテントを張っている人たち、それぞれがゲシムの海を楽しんでいます。
潜水ボンベを担いだ1団がいました。このビーチにはダイビングスクールがあり、男女別々に講習を受けることができます。
砂浜に座って海を眺めていると、向こうから眼だけをみせたアラブ風の女性二人が、スケッチブックのようなものを手に、私たちの方へやってきます。ゲシムの昔からの女性の化粧、ヘナです。日本ではヘナは髪の染料として有名ですが、こちらでは、ヘナで腕や足に模様を描きます。同僚は、スケッチブックのデザインパターンから気に入ったものを描いてもらうことにしました。お風呂に入っても1週間くらいは消えないそうです。
ゲシムの島を効率よく見て回るには、ホテルで㏠ツアーを申し込むのが一番です。朝8時、ホテルの前から出発です。他のホテルの宿泊客を次々に乗せてツアーが始まります。
今回のツアーのメインイベントは、ヘンガーム島へモーターボートに乗ってのイルカウォッチングでした。ボートはものすごい勢いで、イルカのいそうなところをめがけて突進していきます。波にあおられてボートは空に飛ぶくらいの勢いです。ドン、と落ちるときはお尻が痛くなるほどのショックを受けます。私たちの乗っているボートの周りにもたくさんのボートがイルカを探していました。ボートの船頭たちが大声で互いに情報を交換しているのですが・・・夕べ風が強かったため海が濁っていて、結局、イルカは現れてくれませんでした。
ヘンガーム島に上陸して休憩です。ここで有名なサモサ(ペルシャ語ではsanbuseh)を島の女性が作っています。中は、ジャガイモがメインでそこにエビを入れて揚げたもの。アツアツをコーラと一緒にいただきました。
ふと、砂の上を見ると、怪獣の足の形をしたサンダルが脱ぎ捨ててありました。
次の観光地は、火星?と思えるような“星の谷”です。風化によって出来上がった奇怪な形の山が、荒涼とした大地に聳えています。
ゲシム島のもう一つの見どころは、マングローブの森です。イランでは、この島のみに見られます。くねくねとした枝を広げた木々の緑色が南国を感じさせてくれます。大きなものになると10メートル以上ものも見られました。人が乗ってもびくともしない、力強い木です。ボートを操っている人は漁師だそうです。
ボート乗り場向かいにはレストランが、ここで捕れた魚を料理して提供しています。海を見ながらの食事は時間を忘れてしまいます。
ツアーから戻って、さて、何を食べようか・・・と街を歩いていたら、トルコキャバーブのサンドイッチ屋さんを見つけました。トルコ語で話しかけられて、同僚がトルコ語で返したのに彼はびっくり。彼女の祖母は遊牧民絨毯で有名なトルコ・ガシュガイ族の出身ですので、ある程度はトルコ語を話すことができるのです。
〆は、アイスクリームです。3種類のアイスに生クリームたっぷりの高カロリーですが、今日㏠に消費したカロリーも相当なものでしたから、一気にいただきました。
穏やかな海と空に心癒された3日間でした。
公式日本語ガイド
阪野 みき